ハードディスクのレスキュー

今年6月上旬,後輩がFBに『外付けHDDが認識されない・・壊れたらしい』とポスト.
状況を聞いてみると『HDDの回転音は聞こえるしアクセスランプも点く』とのこと.
それならケースを開けて中身(ドライブ)を取り出せば復旧できるかも?と提案したところHDDを分解しても直せる気がしない・・と弱気な返事.仕方なく?話の流れでHDDをお預かりすることに.


とりあえずHDDの型番を聞いてみるとBUFFALOの『HDS-PH500U2』というモデルらしい.
メーカーホームページを見るとハードウェアによる自動暗号化機能+AESで強固なセキュリティを実現とかなんとか記載あり.
HDDにアクセスする際のパスワードは本人から聞いているのでAESの方は問題ないとしても,ハードウェアによる自動暗号化機能って一体なに!?メーカーホームページには『暗号化して保存されているので解体してサルベージも不可能』という文字が・・この時点でいや~~な予感が脳裏を横切ります.
が,結局,なんとか復旧に成功しました.
以下,復旧までの道のりです.
1.HDDを自分のPCに接続してみるも認識されず.

2.トラブルの8割はケーブルが原因である,という格言?を根拠にUSBケーブルを別のものに替えてみましたがやはり認識されず.

3.HDDケースを分解して内蔵HDDとSATA-USB変換用基盤を取り出す.ケースをこじ開けるのが結構面倒でした.

4.手持ちの2.5inch SATA HDDを基盤に接続して自分のPCにつないでみても認識されず.
この時点でおそらく基盤がお亡くなりになったのだろうと推測.

5.取り出したHDDをSATAケーブルでPCのマザーボードに直接接続するとHDDとしては認識されるけど中のデータは見えない.というか,HDDをフォーマットする必要がある,とアラートが出てビビる.
メーカーのHPには内蔵HDD自体はFAT32でフォーマットされていると書いてあったので,この時点で中身が見えないとなるとファイルレスキューしかないような・・(実際にはこの判断が間違っていたんですが)

6.取り出したHDDには重要なdataが入ってるので万一のことがあってはいけない!と,まずクローンを作成.
使用したデュプリケーターはMARSHALのMAL-4535SBKU3
こいつで内蔵HDDのコピーを作っていろいろ弄ってみようという魂胆です.

7.ファイル復旧にはまずフリーの『TestDisk』というsoftを使ってみました,がダメでした.
(消去された元の)フォーマットもパーティションも検出できないようです.

8.次に試したのはファイナルデータというソフトの試用版.
こいつでHDDを検索してみたところjpgやらac3やらのファイルが検出されました.
よし!ファイナルデータの製品版を購入してファイル復旧だっ!

9.実際には取り出した500GBのHDDのduplicateを作るのに2時間程度,これをファイナルデータで解析するのに丸2日(48時間程度)かかってるんですけどね・・Or2

10.で,試用版での解析結果を保存してなかったので購入した製品版で再度丸2日かけてHDDを解析,そしてファイル復旧.解析には長~~~~~~い時間がかかりましたが,復旧はほんの数分でした.

11.レスキューしたファイルはもちろんオリジナルのHDDに保存するわけにはいかないので,さらにレスキューファイル保存用のHDDを別に用意していたりして.

12.さて,そんなこんなで8000弱のファイルをレスキューしたんですが・・画像ファイルは開かず,音楽ファイルは鳴らず,圧縮ファイルは解凍できないうえにファイル名もアルファベットと数字のランダムな羅列で意味不明という.この時点でほぼ詰んだかに思えました.

13.そこで依頼主に提案.
a)このままHDDを廃棄
b)同型のHDDを入手してHDDだけ移植してみる(販売終了しているため入手可能かどうか不明)
c)ファイル復旧業者に頼む(おそらく莫大なコストがかかる)
最終的に依頼主がAmazonで同型のHDDを首尾よく入手できたため b)を選択.

14.正常動作が確認できた同型HDDを分解,内蔵HDDを取り出して,まずはクローンの方を正常動作する基盤に接続してPCにつないでみたもののやはりファイルは見えず.
こりゃダメか・・と半ばあきらめ気味で元のHDDに替えてみたところ・・
キタ————-(・∀・)—————–!

15.結局,内蔵HDDがFAT32でフォーマットされていた訳ではなかったようで,何故かは分からないもののハードウェア自動暗号化機能付きSATA-USB変換基盤が壊れて認識できなくなっていただけ,というオチでした.
暗号化機能なんか付いてない普通の外付けHDDならもっと簡単に復旧できた・・と思うんですけどねぇ.

16.最後に,後から取り出したHDDをバックアップ用に別の外付けHDDケースに入れて使えるようにして併せて返却.バックアップは大事ですもんね.

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次